新宿末広亭

この夏はあまり出かけませんでしたが、お盆には新宿末広亭に行きました。念願の寄席!

夜のトリは、春風亭昇太さん。

春風亭昇太さん

おもしろかった~!

ほぼ満席で、熱気にあふれていました。

寄席はたのしいなあ。
度肝を抜く展開とか、ジェットコースターみたいな興奮とか、そんなんではないけれど、しみじみ沁みわたる、たのしさ。

落語の間(ま)とか、声音とか、調子とか、いろんな要素は、たとえば絵でいうところの余白とか、色のトーンとか、組み合わせとか、そういうものに共通しているところがあるような気がします。ひとりでやる、というところも。
あとは、いったん口に出してしまったら直せない、というのが水彩のようで、見ていて楽しいはらはら感・・
なんてことを考えたりしましたが、何も考えずにただぼんやり聴いていても、たのしいです。
落語に出てくる登場人物が、なんかみんなちょっとズレてたりして可笑しくて愛おしいです。

そして末広亭は、ほんとうにタイムスリップしたかのような趣のある空間で、いつ行っても、うわ~、と感動します。
大正・昭和をすっ飛ばして江戸時代のよう。
今の建物自体は戦後につくられていて、増築や改装もされているみたいですが、風情と情趣でできています。という感じ。溜息が出るくらい、良い雰囲気なのです。

今回は二階の桟敷席でした。
桟敷も、長い時間座っているとちょっと足が大変ですが、そんなこと忘れちゃうくらい趣ある席です。
ちなみに我が母は父に付き合って昼12時から夜の9時までぶっ通しで末広亭の桟敷にいたら坐骨神経痛になったという過去が・・。
でも、いつかやってみたいです。終日寄席・・!



2016.08.26 | | 地下壱階―未分類

有難うございました。

ギャラリー枝香庵さまでのグループ展、終了しました。
ご覧くださったみなさま、本当にありがとうございました!


ヒトリ旅ノバスガール1
「一人旅ノ バスガール」
アルデバラン紙、透明水彩 SMサイズ  sold out


ひとり旅するバスガールを描きました。

戦前の乗合バスというと、通称「青バス」。車体が緑色だったので青バスなのだそうです。
信号が緑色なのに青信号というのとおんなじでしょうか。
繪の中のバスは、昭和ヒト桁頃のボンネットバスをイメージした架空のバスです。


青バスで思い出すのは、林芙美子の「放浪記」の一節で、

 「あんた、靑バスの車掌さんにならないかね、いゝのになると七拾圓位はいるさうだが……。」

宿屋に泊ったもののお金が無くって、おかみさんに話したら仕事が見つかるまで下で一緒にいていいと言ってくれて、それでそのおかみさんの台詞なのです。わびしくて、さびしくて、胸に迫る場面だけれども、どこかカラリと明るくて、しかも淡々としていて、すごくいいのです。「放浪記」の良い所が詰まっている気がします。

前後も書いてみます。

「當つてくだけてみよう――。
 宿の叔母さんに正直に話しする。仕事が見つかるまで、下で一緒にゐていひと言つてくれた。
 『あんた、靑バスの車掌さんにならないかね、いゝのになると七拾圓位はいるさうだが……。』どこかでハタハタでも焼いてゐるのか、とても臭いにほひが流れて來る。
 七拾圓もはいれば素的だ。ブラさがるところをこしらへなくては……。十燭の電氣のついた帳場の炬燵にあたつて、お母さんへ手紙書く。
――ベウキシテ、コマツテ、イルカラ、三圓クメンシテ、オクツテクダサイ。」

お母さんへの手紙もすごくいい。
この宿というのがまたエライところで、
「新宿の旭町の木賃宿」で、「三畳の部屋に、豆ランプのついて、まるで明治時代にだつてありはしない部屋」なんだそうです。


結局のところ、芙美子さんはバスガールにはならなかったと思います。
その部分を探せなかったのですが、眼が悪いので試験に落ちてしまったんだったか。




そんな場面を思い出したりしつつ、描きました繪です。

ヒトリ旅ノバスガール5

側面にも描いています~



2016.08.24 | | 参階―グループ展

三島の『看板建築』



三島-駅

静岡県の三島へ行ってきました。

行ってみて初めて知ったのですが、三嶋大社のある大社町あたりには、昭和初期愛好家 垂涎の「看板建築」がたくさん。感激・・!

三島-商店建築8
かつては洋品店だったそうです。国の登録有形文化財となっている「ムラカミ」さん。
広々貼った銅板と、てっぺんに付いた丸いライトの感じが素敵だ~



看板建築というのは、大正後期・昭和初期に多く建てられた商店(兼住居)の建築様式で、木造2~3階建ての前面を平面にして、銅板やモルタルで装飾を施してあります。デザインは自由で、ひとつひとつ皆違っているので見ているだけでワクワクします。

通りに面した前面からは一見、西洋風で石造りやレンガ造りのような建物でも、横から見ると、日本家屋にペタッと大きな看板を貼ったような按配で、そのギャップも何ともいえないおもしろさを醸しています。

ちなみに『看板建築」』という言葉自体は、1975年に建築史家の藤森照信さんが名付けたそうで、当時は『街路建築』と呼ばれていたんだとか。


閑話休題・・

三島は戦時の空襲を免れたそうで、この看板建築に、いたるところでお目に掛かれました。


三島-商店建築6

三島-商店建築4

三島-商店建築7

三島-商店建築1

三島-商店建築2

三島-商店建築9
さいごのは看板風ではありませんが、昭和初期頃かと思われる、商店建築。焼物の「日光陶器」さんです。


滞在時間が短かったのでこの辺で終了でしたが、あとからネットで検索してみたところ、他にもいろいろとあるようでした。
あゝ、無念。
今回出会えなかった建物たちを探しにまた行きたいです、三島。





2016.08.16 | | 四階―大正・昭和初期

淺田飴



淺田飴


淺田飴、むかしからとても好きです。
でも、のど飴よりちょっと高価なので、もうほんと、ここ一番というか、のっぴきならない喉事情というか、そんなときに、清水の舞台から飛び降りるつもりで買います。(そんなにか!)
あの、黒光した禍々しい雰囲気の丸薬の中に、なんかもう、どえらい喉に良い何かしらが凝縮している気がします。

というか、美味しいし、
とにかく、美味しいし。

画像は大正時代の淺田飴の広告です。
「たんせきに淺田飴 すき腹にめし」が、なんだか可愛いです。




2016.08.04 | | 四階―大正・昭和初期

「味の素の出來るまで」 大正時代版

大正時代の味の素の出来るまで

大正時代の味の素の出来るまで2


大正時代の味の素の出来るまで


こちらは雑誌「婦女界」大正13年5月号の記事、「味の素の出來るまで」。

漫畫解説ということで、絵入りでとても詳しく作り方が紹介されています。


おもしろいのは、この記事が書かれた経緯が、

「私が毎号書いています『出来る迄』をご覧になられた読者諸姉から今盛に売れてる味の素の製法を見てきてとのご注文がありました。それは味の素の原料に蛇を加える浅蜊を使用するとの噂があるのでそれを確かめて見てとの事でした。で其の有無を尋ねに、東京郊外川崎の大師河原にある工場を見に行きました」

という風になっていまして。
蛇・・!
なんて思いつつ、今も昔も、たべものにまつわるウワサというのは色々とあるのだなあ、と興味深いです。


で。
はたして取材結果やいかん。

記事を読むと、このころはどうやらほとんど小麦粉から作られていたようです。
しかも煮たり練ったり焼いたり搾ったりと、ものすごく手間のかかる作り方に見えます。
最後にやっとできた粉末は「バケツに入れて二階に運ばれ、若い女工さんの手に依って目方を計って壜に詰められ」るとのことで、バケツか・・二階か・・とこのあたりに時代を感じて、なんだかしみじみとした気持ちになります。

ちなみに現在の「味の素」はサトウキビからつくられているのだとか。
へ~ 知らなかった~!






2016.08.02 | | 四階―大正・昭和初期

ギャラリー枝香庵「SUMMER FESTA2016」


グループ展に参加させていただいてます。

日時:2016/8/1~16
    11:30-19:00

場所:ギャラリー枝香庵@銀座


枝香庵SummerFesta2016-1


枝香庵SummerFesta2016-2


10周年の記念展とのこと。
屋上テラスのある素敵なギャラリーです。

ヒトリ旅ノバスガール2

こんなような繪を出品しておりますー。
よかったらお立ち寄りいただけたら嬉しいです!


2016.08.02 | | 参階―グループ展

落語の落描き。

喬太郎師匠

喬太郎師匠、おもしろい・・!

絵を描きながら、落語ばかり聴いています。
作業をすすめると同時に、生意気にも誰のどの噺がよかったなあ、なんてことも、だんだん思ってくる始末。

この頃はとくに柳家喬太郎師匠にはまっているのです。
今度高座へ行く予定なのでたのしみです。

さて作業に戻ります~


2016.07.26 | | 地下壱階―未分類

鑑賞用、昭和団扇。


夏です。
団扇です。

昭和の団扇2

我が家の昭和団扇。
香川京子さん柄の団扇。

仰ぐと何やらメリメリ音がして、ちょっと心配なので、もっぱら眺めて涼しげだなあ・・と思っているのですが。



もうひとつ。
昭和の団扇1
これは、どなたかな、美しいなあ、と思いつつ。
やっぱり仰ぐとメリメリ云うので、壊しちゃいかんと思いまして観賞用の団扇なのです。

虫かごが涼しげで、よく見るとキュウリにバッタが乗っています。


こちらの団扇の裏側は、こんな感じ。
昭和の団扇3

「暑中御伺
 まかせてよかつた
 農協之
 
 大富農業協同組合
  電話(大富)十二番」


団扇を眺めながら、月末に向けて色々とがんばります・・!


2016.07.24 | | 四階―大正・昭和初期

家の中の古い物たち。

色硝子の、ランプ。
むかし、新宿御苑のそばにあった古道具屋さんで、その頃の自分としてはたいそう奮発して買ったランプ。
_MG_9435.jpg
お店で留守番していたとっても若い男の子に、これはいくらですかと訊いたら、「このシャ、シャンゼリゼは・・」と、調べて教えてくれたことが、ほのぼのと、心に残っています。シャンデリアって言いたかったんだろうなあ、と。
人様のこと言う前に、自分もこの手の言いまつがいなら、朝飯前ですが・・


_MG_9446_20160707230632bb9.jpg
これは、「読売ランド前」駅のそばににむかしあった古道具屋さんで買った硝子戸。
の鍵部分。


_MG_9448.jpg
「開閉」?と文字が浮き出ているのが何とも愛らしいのです!





2016.07.07 | | 四階―大正・昭和初期

「すき焼き思い出ストーリーの本」 扉絵など

前に表紙だけご紹介しました、淺草の老舗すきやき屋「ちんや」さんの本、「すき焼き思い出ストーリーの本」。

載せそびれていましたが、中身の扉繪でございます。↓


ちんやーすき焼き思い出ストーリーの本1


ちんやーすき焼き思い出ストーリーの本2


ちんやーすき焼き思い出ストーリーの本3


ちんやーすき焼き思い出ストーリーの本4


ちんやーすき焼き思い出ストーリーの本5

ちんやーすき焼き思い出ストーリーの本-表紙


昭和の雰囲気で。
というご依頼でしたので、小躍りしながら描かせていただきました。

四章の「おご馳走」のところでは、昭和でもかなり(好きな方へ)遡りまして、モガ・モボ風人物も登場させていただきました。
五章には「淺草十二階」も~!


淺草はほんとうに、楽しくて奥深くて、好きな街です。
戦前の淺草紹介の読み物では、久保田万太郎の「雷門以北」添田唖蝉坊「淺草底流記」などが、目の前にかつての淺草の街の景色や音や匂いが、わあっと広がるような感じがして、大好きです。戦前の淺草に行きたい・・。お願いします七夕さま!




2016.07.07 | | 七階―イラスト・仕事

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