有難うございました。

ギャラリー枝香庵さまでのグループ展、終了しました。
ご覧くださったみなさま、本当にありがとうございました!


ヒトリ旅ノバスガール1
「一人旅ノ バスガール」
アルデバラン紙、透明水彩 SMサイズ  sold out


ひとり旅するバスガールを描きました。

戦前の乗合バスというと、通称「青バス」。車体が緑色だったので青バスなのだそうです。
信号が緑色なのに青信号というのとおんなじでしょうか。
繪の中のバスは、昭和ヒト桁頃のボンネットバスをイメージした架空のバスです。


青バスで思い出すのは、林芙美子の「放浪記」の一節で、

 「あんた、靑バスの車掌さんにならないかね、いゝのになると七拾圓位はいるさうだが……。」

宿屋に泊ったもののお金が無くって、おかみさんに話したら仕事が見つかるまで下で一緒にいていいと言ってくれて、それでそのおかみさんの台詞なのです。わびしくて、さびしくて、胸に迫る場面だけれども、どこかカラリと明るくて、しかも淡々としていて、すごくいいのです。「放浪記」の良い所が詰まっている気がします。

前後も書いてみます。

「當つてくだけてみよう――。
 宿の叔母さんに正直に話しする。仕事が見つかるまで、下で一緒にゐていひと言つてくれた。
 『あんた、靑バスの車掌さんにならないかね、いゝのになると七拾圓位はいるさうだが……。』どこかでハタハタでも焼いてゐるのか、とても臭いにほひが流れて來る。
 七拾圓もはいれば素的だ。ブラさがるところをこしらへなくては……。十燭の電氣のついた帳場の炬燵にあたつて、お母さんへ手紙書く。
――ベウキシテ、コマツテ、イルカラ、三圓クメンシテ、オクツテクダサイ。」

お母さんへの手紙もすごくいい。
この宿というのがまたエライところで、
「新宿の旭町の木賃宿」で、「三畳の部屋に、豆ランプのついて、まるで明治時代にだつてありはしない部屋」なんだそうです。


結局のところ、芙美子さんはバスガールにはならなかったと思います。
その部分を探せなかったのですが、眼が悪いので試験に落ちてしまったんだったか。




そんな場面を思い出したりしつつ、描きました繪です。

ヒトリ旅ノバスガール5

側面にも描いています~



2016.08.24 | | 参階―グループ展

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